ドイツはケルンにあるbikablo akademie。
Visual Practiceトレーニングを提供している老舗の教育機関です。
こちらの以下のトレーニングを、日本人として初めて受講しました。
1.Basic Visual Facilitation Training(2日間)
2.Advanced Visual Storytelling Training(2日間)
世界と日本のVisual Practiceに根本的に違う何かを感じ、その違いを自分なりにつかみたいと思い、何度か先方とやりとりしながら行くことに決めました。
アメリカのとあるコンサル会社のトレーニングとも悩みましたが、bikablo akademieの本をもっていたことや、ドイツの思想に触れたいと思ったこともあり、こちらを選択しました。
ここで何を感じたかの詳細は、bikablo報告会(東京、神戸)にてお話したので、この記事の中では写真をいれてダイジェスト的にお伝えします。
1.Basic Visual Facilitation Training
会場についたらWelcomeボードがお出迎えしてくれました。
日本語でも書いてあるのが嬉しいですね。
今回の参加者の国の言葉それぞれを書いてくれているようです。
中に入ると、トレーナー2名がランドスケープの準備をしていました。
ベーシックもアドバンスも参加者は16名。少人数でしっかりと学んでいきます。
海外の場だとよく見るパーキングロット。「駐車場」の意味ですが、まさに駐車するように質問や各種インフォメーションをとどめていきます。
neulandのペンがいっぱい。
インクが空になったものは、ジップにいれる仕組みです。
neulandのペンはペン先交換式、インク補填式のため長く使うことができます。
ちなみに今回neulandの好意で、かなり安くペンやその他の物品を買うことができました。
私は友人の希望も聞きつつかなり買いました。
ただ、よくよく考えるとVAT(付加価値税)や空港での手続きを考えると、日本からWEBで買う方がよかったのかも(笑)これも学びです。
2017年6月現在、neulandは文房具ショップなどでは売っていません!!!
(と、トレーナーが教えてくれました)
ドイツに来ても、手に取って買うことはできませんので要注意。
ベーシックトレーニングでは、個人、ペア、数名、全員でのさまざまなアクティビティとリフレクションをしつつ、シェイプ、コンテナ、影のつけ方や色、アイコン(モノ)やフィギュア(人)、レタリング、レイアウト…などなどの、bikabloの型を学びます。
こちらは、「可視化することでどんなことが可能になるか?」についてみんなでトークし、トレーナーが書き留めてくれたもの。
①会話からキーワードをピックアップする
②アイコンをつける
③矢印や丸の囲いで関係性とクラスタリングをする④色をつけることで見やすくする
という流れで進みます。
日本だと②と④が注目されることが多いですが、重要なのは①と③の「何の言葉をピックアップするか」と「どう関係性をつけていくか」だと私は思っています。
全部を書くと逐語録と同じになってしまうので、①のタイミングで何か編集の作用は動きます。書き手のフィルターを通し、どう解釈したか。③も同じく、書き手のフィルターが入ります。そして書き手がどう受け取ったのかを、その場にいる人たちに返していく。その相互作用の中で、私たちは「意味」を紡ぎ、次の一手につなげていくこともできます。
Visual Practice以外にもいろいろな手段がありますし、私自身必ずしも書く/描くことを使うわけではありませんが、自分の使えるさまざまな手段を用いて、「共に意味を紡ぎ、次につなげていく」という方向性は常に見失わずに進みたいと思っています。
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そしてこちらは、レタリングに苦戦する私にトレーナーがかけてくれた言葉。
「すごく覚えておきたい言葉だな」と思ったので、とっさに模造紙に書きました。
そもそも英字の練習(日本語でいう習字的なもの?)をしてきていない私にとっては、数時間でbikabloのレタリングを学ぶのは大変で。
そんな私を見て、「型があることを知ることはあってもいいけど、自分のスタイルは大事にしていいのよ」とトレーナーが言ってくれました。
これはトレーニングを受けていた際全体に言えることですが、「型は伝えるけど、実践は自分の好きなようにやってごらんよ。だって国や文化のコンテクストが互いに違うんだからさ」というスタンスが常にありました。今回グローバルトレーニングのため、そういう前提ができやすかったのかもしれませんが、私自身「体系は知っておきたいけれど、実践は自分の好きなようにやりたい」というタイプなので、この考えがすごくフィットしました。
ちなみに…もちろん実際トレーナーがかけてくれた言葉は日本語ではなく、英語です(笑)
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何度かポスタープレゼンテーションがありましたが、こちらは最後に書いたポスター。
「描くということが私たちをハッピーにさせていく」ということと、私のキャリアストーリーを混ぜたストーリーテリングです。プレゼンテーション後にトレーナーから「Can I hire you?」と言われたのは、よい思い出です。
最後に、トレーニングのランドスケープ。
左にはロジスティクスとアジェンダ、真ん中には参加者リスト、右にはお約束などが描かれています。そして私は相変わらずミッキーマウスが…(Mikiという名前は海外だと必ずミッキーマウスとして扱われます…笑 いいけど)。
ここまでの2日間でベーシックトレーニングは終了!
明日からはアドバンストレーニングが開催されます。
2.Advanced Visual Storytelling Training
会場は引き続き同じ場所。
中に入ったら、bikablo akademie創始者のMartinがランドスケープに諸般の事情で牛を描いていました。
Martinのことは動画で何度か見ていたので「おぉ~、この人か~…」とちょっと感慨深くもなり。
bikabloはicon(モノ)&figure(人)カードがあります。
青いものがicon(モノ)、オレンジ・黄色・ピンクのものがfigure(人)。
ベーシックトレーニングでもこれらを利用しましたが、今回はもう少し応用して使っていきます。
カードの応用例。
iconカードとfigureカードを組み合わせて、新しい意味を作るアクティビティ。
ペアワークでいろんな可能性を引き出していきます。
これは3人一組で、ストーリーを作りポスターにしてプレゼンテーションをするアクティビティ。事前にヒーローズジャーニーの解説がありました。
ストーリー自体は何でもよく、3人の中で起承転結を考えて描いてきます。
こちらは最後の個人プレゼンテーションで描いたポスター。
こちらもテーマに縛りはないのですが、私は今までのキャリア、bikabloトレーニングにおける収穫、これからの未来を旅路に見立てて、プレゼンテーションしました。
この日のランドスケープ。
ちなみになぜ牛が描かれているかというと、Aという文字が牛の頭部の略画だからだそうです。
元々私たちはbiosphere(生物圏)にいたけれど、今はいろんな情報が行き交うinfosphere(情報圏)の世界にいる。情報にあふれ、関係性が複雑化した中で呆然として生きるのではなく、絵やストーリーを使って、もう一度私たちは人と人としてつながりあわないか。
Martinのメッセージを私はそのように受け取りました。
最後に、トレーナーたちと写真を撮りました。
(ちなみに最初にいた女性のトレーナーは怪我をしてしまったそうで、アドバンスコースはお休みでした。残念…)
キャリアを聞いてみると、グラフィックデザイナーだったりコンサルタントだったりとバックグラウンドはバラバラ。
ちなみにMartinはうん十年前にホールシステムアプローチと出会い、対話を可視化することを知ってそれを自分でもはじめ、いろんな人から「教えてくれ」と言われるようになってbikablo akademieを作ったそうです。
アクティビティの途中、一人の人の話を聞きながらその人の考えを可視化していくデモセッションをMartinが実施してくれたのですが、そこでの問いかけとメタファーにしていく力は圧巻でした。ホールシステムアプローチの中でかなりばしばしプラクティスをしてきた人なのだろうなと感じて。
でも「グラフィックレコーディングがヨーロッパ圏でいつごろから始まったかって?そんなもの、ヒエログリフさ。5000年前ってとこかな」とウィンクするあたり、茶目っ気も感じます(「聞いた後にまじで愚問だったなー」って思いましたw 聞いた私も若かった…)。
そして最後の難関はこちらw 荷物のほとんどを占めるneuland。
洋服などは手持ちにすることにして、どうにか持って帰ってきました。
海外のトレーニングを受けたい方へ
他の国のトレーニングはわかりませんが、少なくともbikabloのグローバルトレーニングでは英語がそこまでできずともなんとか受けられます。Visual Languageという共通の言語を持っている者同士ということや、本当にいろんな国から来るため英語のレベルも聞き取りやすさもそれぞれです。
「行ってみたいけど英語が不安…」という方は、ひとまず行ってから考えたほうがいいと思います。動いてみることで、次の一手が見えると思うから。
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